大江戸リビングデッドの感想

クドカンのドラマは好きなので内容的には受け入れられるものの、歌舞伎でとなるとかなり冒険したなぁという印象。

それから若さゆえの勢いも感じて、今40代後半に進んでいる自分からすると落ち着かなかった。

セリフ量も多く、言葉の機関銃みたいな部分もあり、テレビでみるドラマでは受け入れられるのだけれど歌舞伎の世界の中で聞くと耳障りに感じる時もあった。

個人的には、今となってはもう見ることができない勘三郎や三津五郎を偲ぶという部分が強かった。

また後世へ新しい歌舞伎を残していくのだ、という熱意があふれでてくる感じで、どんな気持ちでこの作品に取り組んでいたのかと思いをはせると切ない気持ちになった。

これがまた勘三郎が生きていたら違っていなのだろうけれど。

落語好きのクドカンだけに、落語好きが予想できる展開な部分もあったりしてそこも楽しいものの、死神の役回りなどは物足りなく思えた。

でも睡魔をひきおこしがちな歌舞伎映画で、全く眠くならないストーリ展開をつくっているという点でやはり凄いなと感じる。

後世に残っていく新作歌舞伎というものが、どんなものかと思うけれどクドカンが50代になった頃にまた新作を書いて欲しい。

この映画をみて、改めて七之助の今後が楽しみ、というか個人的な好み。生の歌舞伎でみたい演者さんではある。